【たまひよオンライン】新NISA妥当な投資額とは

こんにちは、FPなおママです。

たまひよオンラインさんより、金融機関のポジショントークにならない

完全中立の情報提供をしたいとオファーがありました。

 

読み応えのある記事となっております。

3本ありますので、お時間のあるときにじっくりご覧いただけたら嬉しいです。

【新NISAって?】子育て家庭の妥当な投資額は?どの銘柄を選べばいいの?今さら聞けない疑問にFPがお答えします

 

 更新

takasuu/gettyimages

2024年からスタートした新NISA。「たまひよ」アプリユーザーへのアンケートで「新NISAやiDeCo(イデコ)など、将来に備えて投資をしていますか?」と、質問すると約55%が「している」と回答。始めていない人でも半数以上の人は「始めてみたい」と、思っていることがわかりました。今回は、投資の相場や投資信託の選び方について、ライフスタイルアドバイザーで1級FP技能士の前田菜穂子さんに聞きました。

前回では、新NISAの基礎知識、NISA口座の開設の仕方、NISAを取り扱う金融機関(銀行、証券会社、ネット証券など)のそれぞれのメリット・デメリットなどについて伺いました。
今回、まずは基礎知識として「投資信託」について、前田さんに聞きました。

新NISAでよく耳にする「投資信託」ってなに?

「投資信託を含めて株、債券について説明します」

【株】

会社が「当社に投資してください」と集める資金調達です。会社の業績が上がれば株価も上がり、株主も利益を得られますが、業績が下がれば株価も下がります。元本保証はなく、ハイリスク・ハイリターンと言われています。

そして売買は100株が基本※1
例えば東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド社の株価は4329円(令和6年5月9日終値)なので、最低でも43万2900円+購入手数料が必要です。オリエンタルランド社の株は高値の部類になるとはいえ、一般的に株の購入には数十万円のまとまったお金が必要と認識しましょう。

※1 証券会社や銘柄によっては1株単位で購入したり、毎月1万円ずつ購入したりすることも可能ですが、制限があります。

【債券】

国や会社の資金調達手段です。身近なところでは日本国が発行する国債です。株と同じく元本保証はありませんが、会社や国の業績がどうであれ破綻しない限りは、満期には「額面金額を返す」という約束があります。利払いのある「利付債」と、利払いがないかわりに額面金額より安い金額で売り出し、満期には額面金額を返す「割引債」があります。株と比べるとローリスク・ローリターンとは言えます。

【投資信託】

「ファンド」とも言います。運用のプロ(投資信託運用会社)が株式や債券など複数を組み合わせた商品です。元本保証はありません。しかし株式や債券を個別に持つより、リスクが分散されていると言えます。

投資信託の取引単位は「口数」、値段は「基準価額」と呼ばれ、1万口単位で表示されます。
金額指定で買うのが一般的です。

例えるならお肉屋さんでPOPには「和牛1kg 2000円(基準価額)」とあります。

客:「和牛1000円分ください」
店:「はい、1000円分なので500gのお渡しです」というのが金額買付。
日々変動する基準価額に、心理的に翻弄されず淡々と買い増すのに適した購入方法です。

客:「和牛1kgください」
店:「はい、2000円です」として口数買付できる販売会社もありますが、NISA口座では口数買付はできません。

株は証券会社でしか買えませんが、投資信託は銀行等、様々な金融機関で扱っており、金融機関によっては100円から購入することもできます。

例えるなら投資信託は主食、味噌汁、サラダ、デザートをバランスよく揃えた定食で、株や債券は単品料理です。
定食で主食が減っても(株価が下がっても)、味噌汁やデザートの量が増えれば(債券が上がれば)ダメージは少なく空腹をしのげます。しかし単品料理で量が減る(株価が下がる)と、しばらくは空腹を感じる生活になる……というイメージでしょうか」

リスクが分散されて、いろんな金融機関で買えるのは魅力的ですね。
次にママたちからの質問にお答えいただきます。

Q.「いくらくらい投資するのが相場なのでしょうか?」(あちゃちゃん)

A.非常に難しい質問です。数年先まで使う予定がなく、元本が一時的に半分以上減ったとしても何年も静観できるお金がその人にとって正解の数字ですが、大半の家庭は違います。小さなお子さんがいる家庭は、教育費を1円でも多く増やしたいのが本音でしょう。

しかし投資には元本保証はなく、生活費を削ってまで資金を捻出することはおすすめできません。以下の方法で投資金額を算出してみましょう。

①「当面は使わないお金」を洗い出す

収入・預貯金から、生活費+生活防衛資金(生活費の6ヶ月分~1年分が目安)+住宅購入資金+教育資金を差し引いて余った分が投資に回せるお金です。

「そんな余裕資金一切ない」という場合は、生活費を見直す良いチャンス。「減らしてもよい」と、思える支出を洗い出して、一部を投資資金に切り替えることもアリです。
例えば活用できていないサブスクの解約、毎日ついつい買ってしまう自販機やコンビニでのドリンクを水筒持参に切り替える、毎回宝くじで夢を買っているならその半分を投資資金に回す、などなど。「なかったつもりで小さな金額から始める」のも一つの方法です。

②リスク許容度から投資額を算出する

一般的にリスクと聞くと「損失」と解釈しますが、投資の世界ではリスクは「(収益が増えようが減ろうが)価格変動の幅そのもの」のことを言います。投資を始めるのなら、覚えおくといいですね。

収益が増えることについては大歓迎ですが、元本を失うことについては避けたいもの。「下がったとき、どこまで“心理的に”耐えられるか」※2、というリスクの許容度から、投資額を算出する考え方もあります。

※2 余裕資金で始めることが大前提なので“家計的に”耐えられないは論外です。

例えば100万円投資して70万円まで値下がりしても、数ヶ月~数年手放さずに持ち続けることが可能なら、リスク許容度は30%。90万円以下は無理!ならリスク許容度は10%となります。

投資信託協会の「投信総合検索ライブラリー」には投資先ごとに異なるリスクが確認できます。
ざっくりですが株式なら20%、債券なら10%が、覚悟すべきリスクの目安と言えそうですが……。

実はこのリスクの範囲に収まる確率は68%で、2倍の範囲になる確率が95%と言われています。つまり、株式なら20%×2=40%ということで、100万円を株式に投資したら60万円まで下落する覚悟が必要ということになります。

「投資ってやっぱり怖い」と、思われるかもしれませんが、長期にわたって停滞に甘んじる企業はありません。淘汰されないようにと、業績を上げるために様々な努力を重ねます。リスクを許容しながらも、「いつかは上がるかも……」と、信じて持ち続けることも心得てほしいと思います。

とはいえ、リスク許容度10%以下の人が株に投資をした場合、株価に一喜一憂してメンタル的にかなりしんどい投資生活となるでしょう。途中で挫折する可能性もあります。

それでも株をやってみたいという場合は、投資する金額を少なくし、リスクの低いものと組み合わせることを検討してみてください。例を出して説明します。

例:「100万円投資するが損失は30万円まで」というケース

①50万円を株式にしてリスク20%×2倍の20万円マイナスまでは受け入れる
②残りの50万円は債券にしてリスク10%×2倍の10万円のマイナスまでは受け入れる

①と②を合わせて30万円のマイナスまでは静観すると、計画することができます。

実は株式と債券は逆の値動きをします。株式が好調のときは債券は不調。債券が好調のときは株式は不調となりますが、互いに補い合い資産全体の減り方を抑える効果が期待できます。

私たちの年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、株式と債券を半分ずつ、さらにそれぞれ国内と国外に分けてリスクを分散しながら運用する手法を取っています。ちなみにGPIFの累積収益額(2001年~2023年度第3四半期)は約132兆円。年率4%弱で私たち国民の老後資金を運用できたことは参考になりますね。

「投資は怖いけど興味がある」「元本割れは怖いけど興味がある」という人は、少ない金額で始めてみるのも一つの方法です。

Q.どこの銘柄に投資していいのか決められない(ゆーみん)

A.投資信託の数は5980本(2024年3月末)。途方に暮れる数字ですが、実はNISAで買える投資信託の銘柄は、政令によって要件が定められており3分の1に絞り込まれます。それでも2000本以上。つみたて投資枠に関しては“長期・積立・分散投資に適した投資信託”として300本弱となっています。
(さらに金融機関によって扱う銘柄が制限されている場合もあります)

信託は銘柄ごとに「●●の値動きに連動する投資成果をめざします」とか「信託財産の成長を図ることを目標に積極的な運用を行ないます」といった目的が定められ、目的を達成するためにどんな金融商品に投資するか、という運用の特色があります。
これらは、売買時に目を通す「目論見書(もくろみしょ)」の最初のほうに記載されています。

なんとなーく投資する銘柄が見えてきたら、自分の求めるリターンと、受け入れられるリスクに見合った運用をしてくれる投資信託を探しましょう。具体的には、

①何年運用できるか
②運用を終わらせる時期に何円まで増やしておきたいか
③リターンは何%にする必要があるのか

です。

様々な金融機関が提供している運用シミュレーターを利用するのもアリ。
私が使っているのは、SBI系列のウエルスアドバイザー株式会社の金融電卓サイト です。

目標金額と50年までの運用期間設定をしながら、目標リターンに合わせた株・債券等の比率まで提案してくれてとても使いやすいです。

一般的に老後資金(使うのは20年以上先)のための投資は、「100-(自分の年齢)」が「ハイリスク・ハイリターン銘柄に投資してよい比率」と言われています。
5~10年後程度の近い将来に使うお金は「ローリスク・ローリターンの手堅い金融商品を中心とした投資信託の銘柄を」と言われていますが、価格変動にヒヤヒヤしたくなければ預貯金がおすすめです。

「より公的な情報源を使って自分で考えたい!」なら金融庁作成のNISAパンフレットにも掲載されている、投資信託協会の「投信総合検索ライブラリー」が参考になります。

6ヶ月から10年までのリスクとリターンのグラフを見ながら個別の投資信託を比較できます。NISAのつみたて投資枠・成長投資枠別に対象商品からの検索もできて便利です」

次回は「新NISAの限度額」「投資って本当に儲かるの?」などについて伺う予定です。

※本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。
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